ハイテク&カラー 大日精化工業株式会社

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表色系システム

表色系とは色の表現方法のひとつで、色彩を体系的に表したものです。

色彩の体系的な表し方

色彩の体系的な表し方・色を表す言葉には長い歴史があり、民族や言語のちがいによってさまざまなニュアンスを持つ豊かな文化的特性を示しています。色名は最も一般的なコミュニケーションの方法ですが、言語の違いや個人差で、常に多少のずれがあることは、誰もが実感していることです。こうした差異を解消し、共通の認識で色を伝え合うためには、一般言語とは別のシステムが必要になり、いわば色という感覚を科学的にシステム化する方法です。ことに現代の情報化社会では国際的な共通言語としての体系的な色の表し方が必要不可欠です。

あらゆる色を関連づけ、正確に色を伝えるという試みは、20世紀に入り色彩理論が飛躍的に発展するとともに、国際的に共通性を持つ正確な色の表示の方法がいくつも考案されました。1905年にはマンセル表色系が「色彩表記法(A Color Notation)」として発表され、1920年にはオストワルト表色系が確立し、1931年には国際照明委員会(CIE) によりXYZ表色系を表色系の統一基準とすることが決められました。

基本的な表色系は、3つの変数によってひとつの色を表す形になっています。従って立体的な空間の中の一点として、一つの色は表されます。色立体の由縁です。表色系にはマンセル表色系のように、マンセルブック・オブ・カラーという色票集として物体色の標準になる顕色系(Color appearance system) と呼ばれるものとXYZ表色系のように3つの色光の加法混色で任意の色に等色できることを原理とする色の定量的表示のための体系があり、こちらは光を混色するところから混色系(Color mixing system) と呼ばれています。

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XYZ表色系(CIE1931標準表色系)

国際照明委員会(CIE)が1931年に定めた色の統一的な表示基準で、XYZの3種の色光を原刺激とする混色系の表色系であり、色の科学的測定の基礎となる表色系です。

Xは赤、Yは緑、Zは青の色光ですが、光の明るさはYのみが表わし、XとZは明るさをもたない色光という抽象的な光です。XYZを三刺激値と呼び、光の色も物体の色も三刺激値により表わされます。図版はxy色度図といい、明るさを除いた色みの位置を表わすグラフです。XYZの測定値を換算することにより種々の表色系の値が求められます。

XYZ表色系(CIE1931標準表色系)

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L*u*v*表色系(CIE1976L*u*v*色空間)

XYZ表色系のxy色度図は、均等な知覚尺度を持っていないため、マックアダムがxy色度図から座標系を変換して作った均等色空間を更に改良した表色系です。

偏差楕円と呼ばれる右図中の楕円は、人の眼による等しい色差感を表したものです。色によって楕円の大きさが異なりますが、xy色度図から大幅に改善されている状態は判ります。L*u*v*表色系は色差を表すために使われており、L*値は明るさを、u*は赤-緑軸、v*は黄-青軸を表している混色系の表色系です。

L*u*v*表色系(CIE1976L*u*v*色空間)

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L*a*b*表色系(CIE1976L*a*b*色空間)

日本の工業分野での色彩管理における色差の測定に最も広く用いられているのがL*a*b*表色系です。

L*値は明るさを、a*値は赤-緑の軸を、b*は黄-青の軸を表す混色系の表色系です。2色間の色差の計算は、L*、a*、b*の差の2乗値の和の平方根を求めることにより行われます。工業分野で実用されるのは、色差管理の際に色空間中のどの点の色についても人の感覚と比較的共通した色差値が示されることによるものです。印刷やカラープリントのカラーマネージメントにも応用されています。

L*a*b*表色系(CIE1976L*a*b*色空間)

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マンセル表色系(マンセル・カラー・システム)

アメリカの画家であり美術教師であったマンセルが創り出した顕色系の表色系です。

色を色相、明度、彩度の三属性で表す物体色の標準として、アメリカ、日本などで用いられています。日本では現在40色相で計2,069色の色票をもつJIS標準色として市販され、工業分野で利用されています。この表色系は知覚的に等歩度になるように作られており、色票とマンセル値が対応していることから判りやすく、かつ色のスケールとしての機能もあることから、広い応用分野をもっています。

マンセル表色系(マンセル・カラー・システム)

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PCCS(日本色研配色体系)

PCCSは色彩教育と配色調和に有効な色票系として、日本色彩研究所により開発された顕色系の表色系です。

色相と明度、彩度を骨格にしていますが、色相は24色相構成で、明度はマンセル明度を採用し、彩度は10sを限度とする飽和度の方式になっています。特徴は明度・彩度を複合してトーンと呼び、色相とトーンの2要素によるヒュー・トーン・システムとなっていることです。色相は1~24の数字表記、色調はアルファベット略号表記を用いています。

PCCS(日本色研配色体系)

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オストワルト表色系

オストワルト表色系はノーベル化学賞を受賞したヴィルヘルム・オストワルトが考案した表色系で、この表色系をもとにアメリカで刊行された色票集がカラー・ハーモニー・マニュアルです。

オストワルト表色系は、純色量(C)、白色量(W)、黒色量(B)の回転円盤混色で色を表わし、総和が100になるように構成されています。色相は1~24の数字表記による24色相、白色量と黒色量は共にaからpまでの記号でフェヒナーの法則に基づき、対数値で等間隔に目盛られています。

オストワルト表色系

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NCS(ナチュラル・カラー・システム)

スウェーデン工業規格のNCSは構造がオストワルト表色系に類似しており、純色量、白色量、黒色量によって色を表示します。

NCSは三者の比率を人間の感覚判断で印象的に決めるところに特色があります。色相はヘリングの反対色説に従って赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)の4原色により4分割され、隣接する原色との感覚的な比率によって表します。しかし、色票系が無いと非常に不便なのでNCSカラーアトラスが発行され、ヨーロッパを中心に普及が進んでいます。

NCS(ナチュラル・カラー・システム)

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ABCトーンシステム

日本塗料工業会標準色見本帳の1999年版から登場したヒュー・トーン・システムです。

マンセル記号により分類される形で、色相はマンセル系、トーンは無彩色が5トーン、オフニュートラルを含む有彩色が19トーンの構成になっています。工業用のカラーオーダー・システムであるために、使用頻度の高いオフニュートラル系のトーンを無彩色に隣接して設けたところに特徴があります。この見本帳は発行数が多く、普及度が高いため、実用的な分野での色彩設計や色彩分布調査などにも有用なシステムといえます。

ABCトーンシステム