7色印刷システム
私たちが日常目にするカラー印刷は、オフセット4色プロセス印刷で、技術的に確立された世界的に行われている印刷法です。4色プロセス印刷はカラー原稿をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に色分解をして作った4枚の版に同色の印刷インキを刷り重ね、原稿の色を紙の上に再現します。
7色印刷は上記の4色に分解された各版のデータから7色に分色します。マゼンタとイエローを刷り重ねたときにオレンジになる部分を抽出しオレンジ版をつくります。同様にイエローとシアンの刷り重ね部分からグリーン版をつくり、シアンとマゼンタの刷り重ね部分からバイオレット版をつくります。シアンとマゼンタとイエローの3色が重なる部分はブラック版に移します。元のシアン版、マゼンタ版とイエロー版からそれらの部分を無くして、新しいシアン版、マゼンタ版とイエロー版を作ります。
こうして作られた7版を刷り重ねるのが7色印刷法で、4色プロセス印刷よりオレンジ、グリーン、バイオレットの領域で鮮やかな色表現が可能になります。この印刷法は当社が「高彩度の色再現にすぐれた印刷法」として特許権(特許第2049498号)を所有しています。グラビア印刷における4色印刷も同様のプロセスにより7色印刷となり、透明フィルムの場合は更にホワイトの印刷を加えます。
豊かな色再現
7色印刷システムは、通常用いられるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)による4色プロセス印刷の色再現領域を拡げるために開発されたシステムで、上記の4色にO(オレンジ)またはR(レッド)、G(グリーン)とV(バイオレット)を加えたインキを用います。個々の微小色面は、有彩色の6色を色相環状に並べた場合の隣接する2色とKによる刷り重ねによって色表現をします。4色プロセス印刷では発色できないオレンジ、グリーン、バイオレットの鮮やかな色表現ができます。※ 参考:DCAデザイナーズ・カラーアトラス(小学館)