顔料

あらゆるものに彩りを与える色の素(もと)――染料と並ぶ色素のひとつである顔料を製造・販売しています。
顔料は熱・光・薬品などへの耐久性が求められる色材として使われます。その用途はクレヨンや絵具や色紙などの文房具、口紅などの化粧品、建築用や自動車用の塗料、印刷インキ、プラスチック用着色剤など多岐にわたり、さらに近年はデジタルプリンタのインキやトナー、液晶パネルのカラーフィルタへと広がっています。
また、当社では着色用途だけでなく、顔料そのものが持つ触媒などの機能に注目した研究開発も進めており、その応用が期待されています。

プラスチック用着色剤

透明または半透明のプラスチックに色をつける着色剤を製造・販売しています。
プラスチックは、軽い、さびない、加工しやすい、薬品に強いなどの理由から私たちの身の周りに数多く用いられています。しかし、着色に顔料を使うと飛散しやすい上に色ムラができやすいなどの欠点がありました。
この課題を解決するために、当社は戦後まもなく、樹脂にあらかじめ顔料を均一に分散させたプラスチック用着色剤を開発。今日、汎用プラスチックからスーパーエンジニアリングプラスチックまで、さまざまなプラスチックに利用されています。その技術力を活かして、当社は着色用途だけでなく、導電や帯電防止などの機能材料、樹脂と混ざりにくい液状材料や吸湿材料を樹脂に均一分散させた機能性材料も開発しています。

繊維用着色剤

顔料に関する独自の技術を応用し、合成繊維用のさまざまな用途に着色剤や機能材料を製造・販売しています。
合成繊維に色を付ける方法には、繊維のもとになる液体原料に着色剤を入れて(原液着色)紡糸する方法と、顔料などを分散させたバインダーで立体的な絵柄やツヤのある模様を布に印刷する方法(捺染)があります。
紡糸された状態の繊維の直径は約15~30μmです。原液着色に使われる着色剤を作るには、顔料を繊維よりも微細にかつ均一に加工するなどの特殊な技術が求められます。

印刷インキ

商業印刷用のインキや産業資材用のコーティング剤を製造・販売しています。
代表的な印刷方法として、雑誌などの印刷に使われるオフセット印刷、各種パッケージなどの印刷に使われるグラビア印刷、段ボールなどの印刷に使われるフレキソ印刷があります。
印刷インキは、それら印刷方式や用途・硬化方法などによってさまざまな種類に分かれます。
当社は多様な印刷インキを取り揃えるほか、印刷の適用分野が広がるなかで、インキへの新たな機能の付与や、水性化などの環境配慮にも取り組んでいます。

印刷の種類
印刷の種類図説

ウレタン樹脂

合成皮革などの主原料であるウレタン樹脂を製造・販売しています。また、関連する工業用接着剤、天然皮革の表面に近い艶や感触などの機能を付与する表面処理剤なども製造・販売しています。
合成皮革は天然皮革に似た外観、手ざわり、強さ、性質をもつ一方で、均一な品質で軽く、さまざまな艶や感触、色合いが出せるという特長もあり、バッグやスポーツシューズの生活用品から、自動車用シートをはじめチューブや機械部品などの産業資材に広く使われています。
また、当社は樹脂合成技術を応用し、イミド系樹脂などの開発も進めています。

天然物由来高分子

キトサンをはじめとした天然物由来の高分子材料を製造・販売しています。
キトサンは、カニやエビの外骨格などに存在しているキチンを脱アセチル化処理することで得られる素材です。抗菌性、保湿性、成膜性、吸放湿性、消臭性などの機能を持っており、化粧品や繊維、食品、農・工業、水処理、医療などの材料として使われています。